庭を楽しむ暮らし

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前出の小川邸では、庭のデッキスペースに置かれたテーブルでミルクティーと焼き菓子という英国風のおもてなしを受け、本場の“イングリッシュ・ガーデン”を堪能した。
通りに面した建物のファサードを触れない分、英国人は裏庭で個性を出し自分流の庭づくりを楽しむのだと言う。そして人を招いた時に何かサプライズを用意して客人を喜ばせるそうだ。

広さは約50坪位、綺麗に手入れされた芝生、様々な鉢植えには季節の花が咲き、隣との境には視線が気にならない程度の高さまでの生け垣で仕切られていた。
ガーデンニングのための道具などを収納する木製の物置も3台置かれ、お孫さん用の玩具の家も並んでいた。庭の奥はちょうど森になっていて、一面木々に囲まれ庭がどこまでも続いているかのような贅沢な空間だった。
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東京と同様、ロンドンの中心部で庭付き戸建というのは難しい。英国人にとって庭を楽しむ暮らしに対する憧れは我々日本人よりもはるかに強いのだろう。ハムステッドガーデンサバーブはロンドンにほど近い位置ということだけでなく、価値が高まっている理由の1つにこの庭があることは間違いない。

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一方ドイツ・フライブルクでも同じように庭付きの住宅地があった。

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ドイツではイギリスの影響もあって、1900年頃からガーデンシティ運動が起こりこのような庭付きの住宅が建設されてきたそうだ。この住宅地は協同組合方式で開発され、現在も組合員向けに家賃月8〜10万円(1€=100円)程度で賃貸されている。他にはない庭付きということが人気で、空き待ちが後を絶たないと言う。

フライブルクのような地方都市でも現在の都市計画の考え方もあって、庭付きの家を持つと言うのは現実的に難しい。それでも庭いじりを楽しみたいという市民のために、市営の“貸し庭”、日本流に言えば“市民農園”があった。
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“クラインガルテン”(小さな庭)と呼ばれるこの貸し庭は、1区画約100坪で年間2万円程度で借りる事ができ大変な人気だそうだ。土地の所有はフライブルク市で管理・運営はNPO法人が担っている。NPOによってルールは様々だが、ここのクラインガルテンは庭の管理をきちんとやらないと権利を没収される。野菜を何%以上作らなければならないというような規定のある庭もあるらしい。

ドイツ人は休日にこの貸し庭に家族でやってきて、庭いじりや収穫した野菜など持ち寄ってバーベキューをしたりして楽しむとのこと。写真にもあるように敷地内には思い思いの立派な小屋がつくられた庭もあって、少人数なら宿泊できるのではないかと思うくらいだった。

緑地面積を広げたいフライブルク市にとっては、空き地を市民に農園として貸すことで、自分達の手間無く管理された緑地帯ができ、一石二鳥なのだろう。
また借りている市民も権利を譲渡する時は、農園の小屋や設備等が正当に評価され、適正な金額で次の借り手に譲渡されるそうだ。自分達のつくってきたものが無駄にならず引き継がれる合理的な仕組みだと思った。


日本でもガーデニングがブームでなく定着してきたように思えるが、それでもここ10年程度で、イギリスやドイツとは歴史が違う。
庭づくりを楽しみ、庭での時間を楽しみ、庭を眺めて楽しむことに対する価値観はまだまだこれからなのだろうか。










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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に(株)東日本ニューハウス(現・(株)ヒノキヤグループ)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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