アパートのサブリース問題

本日空き家対策特別措置法が全面施行されました。

2013年のデータでは全国の空き家は820万戸、国内の全住宅に占める割合は13.5%と過去最高を更新しています。

人口減少、世帯数減少時代に突入しており、このままいくと2023年には空き家率が20%を超えるという予測もあります。



一方、2015年の相続税改正をきっかけとして賃貸住宅の建設は2015年度も35万戸超と予測されており、消費税増税の反動で苦戦する戸建やマンションとは異なって好調を維持しています。





空き家が増えて社会問題になろうとしている一方でアパート建築が好調・・・この相矛盾する事象をどう理解すればよいのでしょうか。





アパート建築は土地オーナーが行うわけですが、自発的に進めるよりもアパート建築会社から提案されて意思決定するケースの方が一般的です。



「駐車場のままよりも固定資産税が安くなりますよ」

「将来の相続時に備え、賃貸住宅を建てることにより相続税の評価額を大きく下げることができます」

「将来の安定収入につながります」



等と言ったセールストークで土地オーナーに積極的に営業をかけて説得していくのです。

それ自体は通常の経済活動なのですが、1つ大きな問題があります。



一括借り上げ「サブリース」という手法の説明についてです。



大手業者の大半はアパートの建築を請け負うだけでなく、建築後土地オーナーからそのアパートを一括で借り上げ、入居者に又貸しをする「サブリース」という手法を取ります。



35年一括借り上げで安心!



と言ったフレーズを見聞きした人も多いと思います。

アパートの管理から入居者募集など一切の業務を代行するだけでなく、月々の収入も入居者の増減に関係なく一定に確保されるということで土地オーナー側からもありがたい仕組みなのです。

全てお任せで家賃まで一定、しかも大手会社の信用もある。これなら銀行からお金を借りて建築しても返済も心配ないと決断に踏み切る土地オーナーが多いことは事実です。



ところが今、この「アパートのサブリース」が大きな問題となってきているのです。



先日放映されたNHKの「クローズアップ現代」で”アパート建築が止まらない 人口減少社会でなぜ”でもその問題が紹介されていました。

「アパートのサブリース」制度のリスクの説明がしっかりと行われていない、そして空室リスクを一方的に土地オーナーに押し付けているのではないかという内容でした。



「サブリース」は契約上2年毎に家賃改正ができるようになっていて、アパート建築会社は想定した入居者が確保できないと土地オーナーに家賃の引き下げを依頼しますが、そのことについてあらかじめきちんと説明がされていないというのが土地オーナーの言い分です。

実際に番組の中で営業マンが「当社は上場会社ですよ」「入居が下がったり建物が古くなったことで家賃が下がることはありません」と完全にウソの説明でオーナーを説得してる音声が紹介されていました。



それでも家賃を維持したい時には、そのアパート建築会社の指定する高額なリフォーム工事を前提としていて、それを拒否すればサブリース契約が解除されるということがあるようです。まるで家賃維持分をリフォーム代に上乗せされて取られているのではと思われても仕方ないやり方ですよね。

このサブリース契約、不動産売買契約などの厳しい法律の網にかかっておらず、重要事項やリスクについての厳格な説明が義務付けられていないそうです。



全ての業者がそのような悪質な行為を行っているわけではないと思いますが、土地オーナーは「サブリース」「35年一括借り上げ」と耳障りの良い言葉だけを信用して、その詳細やリスクについて確認を行わずに契約するというのは非常に危険だと認識すべきです。



また当たり前の事ですが、その地域で今後の賃貸需要が続く見込みがあるのかという見極めも必要です。

番組で紹介されていたのは埼玉県の羽生市、アパート建築が大量に供給されたこともあって人口5万人の同市の空き家率は35%を超えているそうです。つまり3件に1件以上が空き家状態ということです。



アパート建築も事業であり投資です。これまでのように大手アパート会社が一括借り上げするからリスクもなく安心と考えるのは間違いです。「サブリース」の契約書にある通り将来の空室リスクはサブリース会社(アパート建築会社)ではなく土地オーナー自らが取ることになっています。その事業の将来性がどうかについて、信用できる第3者のアドバイスなども参考に意思決定していくことが結果的に先祖代々受け継いできた資産を守ることに繋がるのだと思います。





桧家グループでは、「戸建賃貸」を中心に土地オーナー向けの提案を行っていますが、サブリースについては当社から積極的にオススメはしていません。なぜなら「戸建賃貸」は市場に商品が少ないため競争力が高く空室リスクが低いからです。サブリースにするよりも土地オーナーの実質的な手取り収入を上げるためにあえて「サブリース」を提案していないのです。もちろん希望されるオーナーにはサブリースも取り扱います。



また「戸建賃貸」は1戸当たり約1100万円と低価格なため利回りが高くなり、結果的に資金回収が早いというメリットがあります。1都3県では悪くても7%、東京都市部では20%近くになることもざらで5年で回収することも十分可能なのです。回収後は継続しても売却しても別な用途に転用することも可能となり、将来のリスクを限りなく抑え土地の有効活用と税金対策ができる商品なのです。



また将来を考えた時賃貸住宅に適さないと判断される土地オーナーには、「資産の組み換え」を提案しています。

まだ価値のある時に売却し、その資金で将来も高い需要が見込める物件を所有していくという考え方です。土地オーナーは同一の地域に土地を所有しているのが一般的ですが、リスク分散と言う観点からみれば必ずしも望ましい状態ではありません。一部は残しながら、一部は都心のマンションやオフィスビル、一部の資産を海外不動産にするといったことが合理的な考え方を持つ土地オーナーは既にアクションしています。



桧家グループでは今後も、税金対策や安定的なキャッシュフロー創出、資産防衛など様々な観点から土地オーナーにとって最適な提案を行っていきたいと考えています。







NHKクローズアップ現代はこちら(動画あり)

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3648_all.html



空き家の推移(総務省統計局)

http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/10_1.htm



賃貸住宅増加と空き家問題について(コラム)

http://www.homes.co.jp/cont/press/opinion/opinion_00057/










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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に東日本ニューハウス(現・桧家ホールディングス)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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