空き家問題でパネルディスカッション

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先日不動産経済研究所主催のセミナーにパネラーとして参加してきました。

テーマは空き家問題をどう考えるか?


パネリストとして、ディベロッパー代表で野村不動産の山本専務、流通代表で東急リバブルの三木専務、戸建て代表で当社、司会は「空き家問題」の著者でテレビにも出演されている牧野知弘氏でした。


まず空き家の現状を牧野氏の資料から紹介したいと思います。


・空き家数は全国で820万戸(2013年) 空き家率は13.5%
・中四国が特に空き家率高い、大阪市も高い(16.9%)東京、埼玉も10%超
・個人住宅の空き家が急増している
・首都圏でも空き家が急増、東京の空き家数は80万戸超でダントツ1位


空き家というと地方の過疎地と言うイメージがありますが、都市部でも相当な勢いで空き家が増えていることに驚かされます。

セミナーでも東急リバブルの三木専務が、「当社仲介の40%が空き家です」と言われていました。

このまま空き家が増え続けていくと、住環境の悪化、スラム化、ゴミ問題など様々な社会問題を引き起こす恐れもあって、今年空き家に関する新たな法律が制定されました。

倒壊の恐れや衛生上問題があると判断された空家に対して自治体が撤去等を勧告、命令し、応じない場合は強制撤去も可能とするもので、固定資産税の優遇も受けられなくなります。

しかしこれに該当する空家はかなり酷いもので、この法律だけで空き家の抜本的な解消には繋がりません。


一方今海外からの旅行者が大変な勢いで増えていて、そこで問題になっているのがホテル不足です。ビジネスマンが出張時にホテルを確保するのが大変と言う声もよく聞くようになりました。

そのタイミングで今話題になっているのが、airbnb(エアビーエンビー)

使っていない部屋や家を持つ個人と借りたい旅行者とをマッチングするサイトで、海外旅行者を中心に急速に普及しているそうです。

面白いのはいかにも昭和と言ったような古い一軒家の様な家が外国人から見ると新鮮で人気があるようで、これは新たなビジネスチャンスと言う見方もできます。


いずれにしても空き家をどう活用していくのかというのが大きなのテーマです。

airbnbで外国人旅行者に貸す、高齢者住宅として利用する、移住者に貸すなど様々な取り組みが既に始まっているようですが、僕は1つそこに重要な視点があると思っています。

それは「建物性能の見える化」を同時に行っていくべきだということです。


具体的には耐震性や省エネ性といった性能を表示し、借りる人や利用する人がそれを知った上で使用するようにするべきだと思います。

なぜなら日本の特に古い戸建住宅は、現在の耐震性や省エネ性能を満たしていない住宅が大半です。

耐震性では現在の新築基準を満たしているのは全ストックの27%しかありませんし、省エネ性についてはほぼゼロです。

基本的には耐震性は補強などで高めていくべきですし、エネルギーを無駄に消費せず健康で暮らしていくためには省エネ性を高めていくべきです。

ドイツでは「エネルギーパス」といって、貸す時も売る時もその住宅の省エネ性能を明示することが義務付けられ、家賃や売買額に影響すると言う話を以前紹介したことがあります。その結果人々の関心が高まり、断熱リフォームが活発化して、経済効果もありかつ国全体のエネルギー消費を抑えるという一石二鳥どころか三鳥も四鳥にもなったということです。


日本は地震国ですからエネルギー性能だけでなく耐震性も明示すべきです。

ビルやマンションなどは新耐震または旧耐震といった表示が浸透していますので、それを承知して借りたり買ったりということが一般化しています。戸建の場合はそういった表示がないので、借りる側も買う側も不安があるのではないでしょうか。


中古住宅にも住宅性能表示をという動きもあるようですが、あまり複雑にしない方が良いというのが僕の考えです。まずは大きな地震時に大丈夫かと言う耐震性と健康で快適かつ省エネに暮らすことができるのかという省エネ性能の2つさえ表示すれば、他は個人の好みで良いのではないでしょうか。


都内の一等地でも人が住んでいない空家を結構見かけます。

住みも貸しもしないのは何かの事情があるのでしょうが、家は放置される時間が長くなればなるほど痛み、だんだん使い物にならなくなっていきます。税制等で一定期間利用されていない建物は、流通を促す対策が必要だと思います。



考えてみれば日本の地価の高騰は、都市部への人口集中と狭い国土面積によるもので、サラリーマンが買える住宅というのは“ウサギ小屋”と言われるほどでした。

それがここにきて空き家問題がクローズアップされるほどになったということは、長い目で見れば地価が下がり、1住居あたりの面積が大きくなっていくというこにも繋がります。

これまでなら30坪しか買えなかった場所が40坪、50坪でも手が届くようになるということです。

小さな家が所狭しと立ち並ぶ住宅地から、少し余裕のあるゆったりとした住宅地になっていくのは決して悪いことではありません。


空き家増加は様々な難しい問題をかかえていますが、裏返せば新たなビジネスチャンスの可能性もあり、既存住宅の耐震化や省エネ化、シェアハウスなどへのリフォーム、空き家管理など桧家グループでも積極的に関わっていきたいと考えています。


桧家の空き家管理はこちら
http://www.primeasset.jp/vacanthouse/

airbnb エアビーエンビー
https://www.airbnb.jp/

「空き家問題」牧野知弘著
http://www.amazon.co.jp/%E7%A9%BA%E3%81%8D%E5%AE%B6%E5%95%8F%E9%A1%8C-%E7%A5%A5%E4%BC%9D%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%89%A7%E9%87%8E%E7%9F%A5%E5%BC%98/dp/4396113714








































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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に東日本ニューハウス(現・桧家ホールディングス)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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