「2020年マンション大崩壊」

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先日不動産経済研究所主催セミナーでご一緒した牧野知弘さんの新著が出ましたので早速拝読しました。



タイトルは「2020年 マンション大崩壊」



随分大げさなタイトルだと思われるかもしれません。最近の本はタイトルで人が手に取るかどうかが99%決まるなんて言われていますからね。しかしこの本、必ずしもタイトルが大げさ!とは言い切れない・・・・というのが読了後の僕の感想でした。



それもそのはず、著者の牧野氏は大手デベロッパー出身でマンション市場やマンションの抱える様々な課題についても知り尽くしている専門家です。また先般話題となった「空き家問題ー1000万戸の衝撃」で日本の空き家問題についての第一人者でもあります。そんな牧野氏の著書だけに決してタイトル倒れでなく、非常に考えさせられる内容となっています。





僕はマンションは戸建てよりも中古となっても流通性があると考えています。というか、そう考えていました。

その理由は2つです。

・長期修繕計画に基づく維持メンテナンスがきちんと行われていること

・耐震性などの性能履歴が管理されていること



戸建ての場合は維持メンテナンスは住人個人に委ねられていて、管理できている家もあれば全くできていない家もあります。どちらかと言えばできていない家の方が多いのではないでしょう。また住宅性能についても最近の住宅であれば整備されているものが多くなりましたが、10年以上前となると整備されているものはほとんどありません。

一方マンションの場合は、住人個人の責任ではなく管理組合やデベロッパー主体で管理費や長期修繕費用が積み立てられ管理されていますので長期に渡った計画的な維持管理が可能となります。





このことは間違いのない事実なのですが、本を読んでこのことには1つの前提条件があることに気付かされました。



それはそのマンションが将来に渡って空き家にならず、きちんと管理費や長期修繕費が納められ続けるということです。



牧野氏は将来、空き家問題は必ずマンションにもやって来る。いや、もう既に一部のマンションではその兆候が出ている。空き家が2割、3割となってくると管理費や修繕費が足りなくなり、共有スペースの維持管理や長期修繕が十分にできなくなってしまう。そうなるとマンションの質が劣化して価値が下がり、中古でも売れず、ますます空き家が増えてスラム化するという負の連鎖に入っていってしまう・・・という話です。



確かに新しいマンションを買ったばかりの人にはピンと来ないかもしれませんが、30年後はどうなっているのか・・・・??と考えると少し不安になりますね。

住む人が同年代と言うことはみんな同じように年を取って行き、子供が巣立ち、いつの間にか老人ばかりという状態になってしまうのです。

せっかくローンが終わり、やっと老後の生活を迎える・・そんなときに住んでいるマンションも老朽化し、空き家が増え、管理も修繕もままならない・・そんな最悪な事態だけは避けたいものです。



ではそうならないためにはどのようなマンションにすれば良いのでしょうか。

その処方箋についてはぜひ本を読んでみて下さい。



維持管理や計画的な長期修繕といったマンションならではの強みが逆に弱点になってしまうというのは意外でした。

戸建てなら修繕するのもリフォームするのも自分の意思次第ですが、マンションの場合はそうはいきません。

将来の空室リスクやその可能性まで考えてマンション選びをしていると言う人はほとんどいないのではないでしょうか。

今マンションに住んでいる人も、これから購入を検討している人にとっても一読の価値はあると思います。




































































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2020年マンション大崩壊 (文春新書)作者: 牧野 知弘出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/08/20メディア: 単行本 タイトルは「マンション大崩壊」だが、実際の主張は「不便な土地大崩壊」 「空き家問題 」から続く筆者の主張は大きく変わっていないと見る。
  • 本読みの記録
  • 2015/11/07 11:26 PM

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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に東日本ニューハウス(現・桧家ホールディングス)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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