収益物件と法定耐用年数 その2

つづきです。

 

グループ会社のフュージョン資産マネジメントが収益物件を仕入れる際注意しているポイントがいくつかあります。

 

・都心部5区(港、千代田、中央、新宿、渋谷)+世田谷

・新耐震以降(1981年〜)できるだけ築浅

・レジデンス中心

・1棟あたり3億〜5億まで

・RC造(鉄筋コンクリート造)

 

最後のRC造について説明したいと思います。

ビルなので構造は鉄骨造か鉄筋コンクリート造になるのですが、フュージョンは鉄骨造は買わず鉄筋コンクリート造に限定しています。

 

なぜか?

 

それは2つ理由があります。

 

1つは法定耐用年数の違いによる銀行融資の受けられやすさが違うという点です。

法定耐用年数とは会計上または税務上、減価償却できる年数のことで、建物の構造によって異なります。

各々の法定耐用年数は、

 

鉄骨造(重量鉄骨):34年

鉄筋コンクリート造:47年

 

となります。

フュージョン資産マネジメントは仕入れた収益物件を投資家に売却しますので、その際の銀行融資がより長く受けられることが重要になってくるのですが、この銀行融資期間は建物の残存年数(法定耐用年数ー築年数)を基準として決められることが一般的です。したがって築15年の物件の場合、

 

鉄骨造      :34-15=19年

鉄筋コンクリート造:47-15=32年

 

となり、鉄筋コンクリート造の方が鉄骨造より10年以上長い融資が受けられることになり買い手も買いやすくなるのです。融資期間は物件は買主の信用にもよりますが、構造による法定耐用年数の違いは大きなポイントになるのです。

 

2つ目に建物の担保価値の評価についてです。

中古物件の場合その担保価値を上限に融資額が決まりますが、金融機関がその担保価値をどのように計算するのに2つの方法があります。

1つは「収益還元法」、もう1つが「積算価格」です。収益還元法は賃料を物件価格で除して計算する、いわゆる”利回り”で、現時点の収益力を示していますが将来の価値については測ることができません。そこで金融機関は建物の構造や築年数などを評価するため「積算価格」を重視すると言われています。

では「積算価格」とはどのように計算されるのでしょうか。土地と建物は別々に計算します。

 

土地:路線価×面積

建物:再調達原価×面積×(法定耐用年数-築年数)/法定耐用年数

 

建物の計算を具体的に数値を入れて計算してみましょう。

面積:100坪

築年数:20年

再調達原価:鉄骨造80万円/坪、鉄筋コンクリート造110万円/坪 とすると

 

 

鉄骨造の場合      :80万円×100坪×(34-20)/34=3294万円

鉄筋コンクリート造の場合:110万円×100坪×(47-20)/47=6319万円

 

 

となり、同じ100坪、築20年の物件では構造が違うだけで評価額に約2倍の開きが出てしまいます。

つまり年数が古くなればなるほど鉄骨造の物件は融資が付きづらくなり、高く売れなくなってしまうということなのです。

金融機関により評価は異なりますが、一般的な評価であることには間違いありません。

 

金融機関から評価額の出やすい構造、つまり鉄筋コンクリート造を物件にした方が融資が付きやすい(期間及び金額上で)=販売しやすいということで、鉄筋コンクリート造しか原則仕入れをしないということなのです。

 

 

この話は土地活用でマンション建築を検討している人にとっても非常に重要になるのではないでしょうか。

将来相続等で物件を売却するという時により高く売れる可能性があるのは、鉄骨造より鉄筋コンクリート造だからです。

 

実際新築時は、鉄骨造と鉄筋コンクリート造とでは価格が大きく異なりません。とくに大手ハウスメーカーの鉄骨造は高額なため鉄筋コンクリート造よりも価格が上回る場合もあるでしょう。しかし中古になった場合金融機関は、どこのハウスメーカーが建築したかというよりも構造の違いといった客観的に評価できる点で評価するのが一般的なのです。

 

ちなみにヒノキヤグループのレスコハウスは、プレキャストコンクリートですので法定耐用年数は47年と鉄筋コンクリート造と同様最も長い耐用年数で評価されますので非常に有利です。

土地活用で賃貸マンション建築を検討している方、参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に(株)東日本ニューハウス(現・(株)ヒノキヤグループ)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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