デフレの正体

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ベストセラー「デフレの正体」を読んだ。
本著ではデフレの原因は「景気の波」にあるのではなく、「人口の波」にあるという主張をしている。

「人口の波」とは何か?
人口分布を表わすグラフとして縦軸を年齢とした「人口ピラミッド」が一般的だが、本著では横軸に5歳ごとの年齢群とし、縦軸をその年齢群の人口を表す棒グラフを採用している。
年齢群を縦から横に変えたグラフの変化を見てみると、この「人口の波」が見えてくる。

1950年、日本史上最も人口の多い塊である「団塊の世代」が登場した。当時のピラミッドはグラフの左端0-4歳の「団塊の世代」を頂点として、年齢が上がるに従って人口が少なくなる右肩下がりの三角形となっている。少子高齢化とは正反対のこれから高度成長に向かうピラミッドの形ということだ。

この「団塊の世代」から「団塊ジュニア」までの背の高い(人口の多い)棒グラフが年数が経つにつれ、年齢を重ねてグラフを左から右へと移動していく。「団塊ジュニア」以降は少子化ということもあり、棒の高さはどんどん低くなってしまう。この年代による人口の差(棒の高低)とその流れが「人口の波」に見えるということだ。

今年「団塊の世代」の定年退職が完了し、今後人口の塊が毎年高齢者にシフトして、世界史上でも経験のない「超高齢化社会」を迎えることなる。
40年後の2050年、日本のピラミッド予測は1950年と正反対、85歳以上が最も多く、年齢が若くなるに従ってだんだん少なくなり、0-4歳が最も少なくなる左肩下がりの三角形になるとされている。
高齢者数が増える現実を数字でだけを聞いてもあまりピンとこないが、グラフの動きをビジュアルで見ると大変ショッキングに感じた。

著者は日本の成長と発展は、この「人口の塊」が生まれて就職し、結婚、出産を経て、大量の消費を行ったことにマッチしてきたと説いている。
バブル期と言われる1985年、「団塊の世代」は35-39歳のまさに働き盛り、「団塊のジュニア」が10-14歳だった。不動産バブルはこれだけの人口が一斉に家を求めたから起こったのであって、景気の変動によるものではないという説は、なるほど説得力がある。


「人口の波」は10年、20年では如何ともし難い現実であり、内需のマーケットを主体としている住宅不動産業界の我々にとって、長期的な戦略を考える上でも参考となる1冊であった。









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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に東日本ニューハウス(現・桧家ホールディングス)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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