スティーブ・ジョブズ

10/6の朝このニュースが世界中を駆け巡り、世界は大きな衝撃と悲しみに包まれた。
「彼の訃報を彼自身が発明した道具で知ることになった。それこそが彼に対する最大の賛辞かもしれない・・」 オバマ大統領のコメントの通り、僕もiPhoneでこの悲しい知らせを知った。

独創的で楽しくて、美しく、ワクワクするような製品で、我々の生活を豊かにし、便利にし、ライフスタイルそのものまで変えてきたジョブズ。
しかし彼がこれほどまでに尊敬され、大きな影響を与え、憧憬の念を抱かれるのはこの華々しい功績だけではない。
栄光と挫折を幾度となく繰り返し、どん底に陥りながらも決して諦めることなく、強い情熱と不屈の精神で見事に蘇り、世界一の企業を作り上げてきた。“世の中を変えるんだ”という彼の強いメッセージが魂となって製品に注ぎ込まれ、世界中の人々は魅了されてきた。
世界一の企業になっても新商品のプレゼンを彼自身が自分の言葉で、見事なパフォーマンスを演じて世界中に発信していく。これからもジョブズのような人物は出てこないだろう。


自宅のガレージのアップルを創業したジョブズは、当時大企業や軍など限られた所でしか使われていなかったコンピュータを誰でも使えるものとして開発、上場も果たして一躍世界中の注目を浴びる。
その後Macintoshを発売し、パソコンの世界的ブランドへと成長するも経営は順風満帆とはいかなかった。

「残りの一生を砂糖水を売って過ごしたいか?それとも世界を買えるチャンスを手にしたいか?」

この名言でペプシコーラ社長のジョン・スカリーをアップルに招へいするが、その後業績不振の責任を取って、ジョブズはスカリーにアップルを追い出されてしまう。
ジョブズの無念さ、怒り、挫折感はどのくらいのものだったのか・・
しかしジョブズは折れなかった。

映画アニメーションのピクサーやコンピュータ会社を創業して成功すると、10年後の1997年にアップルに復帰する。
この10年のことをジョブズは次のように言っている。

「当時は分からなかったが、アップル社に解雇されたことは、私の人生で起こった最良の出来事だったと後に分かった。」

ピクサーでパソコン上で動画を見る技術を、Nextではその後のOSを開発をしている。
復帰後のアップルの躍進は言うまでもない。
iPhone、iPadなどが次々と大ヒット。今年4月には時価総額でマイクロソフトを超え、8月にはついに時価総額は3430億ドル(約26兆円)に達し、エクソンモービルを抜いて世界一の企業となったのだ。


僕が初めてパソコンを見たのは中学生の時の友人宅で、当時はマイコンと呼ばれていた。
ブラウン管の真黒な画面に緑色の文字、友人はプログラム言語でコマンドを打ち込んでゲームを作ると言っていた。確かマイクロソフトのMS-DOSだったを記憶している。当時のパソコンは専門的な知識のある人にしか使えない特殊な装置だった。

僕が初めてパソコンを買ったのは今から20年前の社会人2年目の頃。その頃はパソコンが一般家庭にも少しずつ普及し始めていた。
当時家庭用のPCはMacとWindowsが人気を二分していて、どちらにするか秋葉原で迷いに迷った。悩んだ末にMacのデザインと使いやすさ、そして起動したときにアイコンが“ようこそ!”と表示されるハイテク機器らしからぬ人間らしさに惚れて30万近くの大枚をはたいてMacを買ったことをよく覚えている。

しかしオフィスにパソコンが導入されてくるとMacは宿敵Windowsの相手ではなかった。オフィスがWindowsなら家庭もということで家庭向けでもシェアをどんどん奪われていく。
アップルがハードとソフト(OS)の一体化にこだわったのに対して、マイクロソフトはOSに徹し、ハードメーカーに提供する戦略であっという間に市場を席巻した。
アップルの戦略は今思えば失敗と言えるかもしれない。しかしジョブズのOSとハードは一体というこだわりはその後も全く変わっていない。
現在でもiPhoneやiPadはアップルだけの製品で、他社は一切作っていない。一方スマートフォンOSのライバルであるグーグルのアンドロイドはあらゆるハードのメーカーにOSを提供している。MacとWindowsの関係と全く同じだ。しかしアップルの時価総額が世界一となったようにiPhone、iPadは世界的に大成功をしている。

ジョブズにしてみればMacintoshもiPhoneもアップルでしかなく、ハードもOSもアップルでしかありえないのだ。デザインにこだわり、ディテールにこだわるジョブズはデザインもボタン1つもエッジのステンレスさえ妥協を許さなかった。ビジネス以前の問題として他社が作るという選択がそもそも眼中になかったのだろう。
この信念こそがまさにジョブズで、世界中の熱烈なアップルユーザーがアップルをジョブズを支持する所以だ。

ジョブズはビジネスの常識を覆し、世界中を虜にする魅力的なイノベーションを数多く世に送り出してきた。この素晴らしい功績に改めて感謝したい。



アップルは次のターゲットをリビングのネットワークに置いているという。ジョブズの意を受け継いだアップルが、テレビ、ブルーレイ、CS、ケーブルテレビ、レンタルCD・・・既存のインフラやデバイスを一気に変えるような革新的なイノベーションを大いに期待している。










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近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に東日本ニューハウス(現・桧家ホールディングス)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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