間接照明

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部屋の中にこのような間接照明があるだけで上質感ある高級な雰囲気になりますね。
この画像はゴールデンウィークにオープンしたばかりの仙台・紫山展示場の写真ですが、最近オープンした他の展示場でも間接照明の提案を増やしています。
こちらはリビングの天井の一部を折上げてその部分には落ち着いた木の天井材を張ってダウンライトを仕込み、両サイドに蛍光管タイプのLEDを設置しています。直接見えない光源からの光が天井や壁を照らすことでほんのり柔らかな光が部屋を包んでくれます。これは昼に撮った写真ですが夜になるとより一層落ち着いたムードある空間を演出してくれるでしょう。

このような間接照明は高級ホテルや店舗などではよく見かけますが、住宅内ということになるとまだまだ普及はしていません。当社でもお客様から特別なご注文が合った時の対応となっていますが、仕様やサイズを規格化をすることでコストと手間を下げより多くのお客様にご提案できるよう現在検討しています。

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郡山北展示場の間接照明

こちらはダイニングにあるカウンターに設置した間接照明です。乳白色のカバーを通して優しい光がタイル壁を照らしています。こちらも夜になると癒しの空間を醸し出してくれるでしょう。

日本人はどちらかというと明るい照明を好むと言われています。それに対して欧米ではスタンドランプや壁付のブラケットなどを使って落ち着いた雰囲気の照明を好みます。蛍光灯によくあったような昼白色の照明は日本では一般的ですが欧米ではあまり使わないようです。

好みの問題でもありますが白い照明より、電球色を使った方が雰囲気がよくなります。
最近はキッチンとダイニングやリビングが繋がっている間取りが多くなりましたが、そこで注意したいのは照明の色分けです。リビングダイニングは電球色を使うのが一般的ですが、キッチンだけは昼白色というパターンがあります。天井が繋がっている場合、異なる色の照明が配置されているとやはり違和感があります。また夜外から窓越しに見える照明の色も電球色の暖かい色の方が雰囲気は良いですね。照明の色は統一して、どうしても手元が暗いと言う場合は手元灯で調整することをおすすめします。

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こちらは寝室のベットの背面に設置した間接照明です。寝室では就寝前にテレビを見たり読書をしたりとリラックスした時間に照明を付けるといった使い方が大半だと思いますので、昼白色の明るすぎる照明よりもこのような電球色の優しい間接照明の方が落ち着いてゆっくりとお休みになれるのではないでしょうか。
これだけでは暗いのでは?と不安に思う方もいると思いますが、壁天井を照らす間接照明は意外と明るいものです。実は我が家でもこのような間接照明を使っていますが、天井付の照明は全く不要です。特に壁が白いと一層明るく感じます。

最近はLEDが普及し、またランプの種類も増えたので家中丸ごとLEDということも珍しくなくなりました。
イニシャルコストも以前と比べて下がりましたので、ランプ交換頻度や電気代を考えると新築時に多少高くてもLEDを導入した方がトータル的にはお得になると思います。

照明計画は非常に難しいものです。特に照度は個人差が大きいのと実際付けてみないと分からないのでイメージと異なるといった場合もあります。明るさに非常にこだわりが強い場合は通常よりも少しダウンライトを増やすといったことを考えた方がよいと思います。
また部屋ごとに色々なタイプのスタンドやランプを置いて照明を楽しむのもいいですね。

昨年オープンした千葉北展示場は、照明デザイナーの園部竜太さんに照明設計をお願いしました。他の展示場とは一味も二味も違う照明プランをぜひご体感下さい。
千葉北展示場はこちら
http://standard.navitime.biz/hinokiyajutaku/Spot.act?dnvSpt=S0143.0000000035&flow=mc&bcCode=12

またオーナー向け情報誌「Ha*Navi」にも園部さん監修の照明プランに関する記事がありますのでぜひご覧になって下さい。
http://owners.hinokiya.jp/hinokiya_cms/wp-content/uploads/2013/10/HaNavi_vol-2_final.pdf


















 

資産価値の下がらない住宅 建物編

前回に引き続き、資産価値の下がらない住宅 建物編です。

中古になっても資産価値の下がらない建物とはどのような建物だと思いますか。

大手ハウスメーカーの建物??
長期優良住宅を取得した建物??
デザイナーが設計した建物??

前回も書きましたが、購入する人の立場で考えてみるとわかりやすいです。
どのような人が、どのような理由で中古住宅を購入するのでしょうか・・

中古住宅を購入するのは初めて住宅を取得する人で、新築より安価だからという人が圧倒的に多いですね。
従ってこのような人たちが求める物件は比較的値が付きやすく、逆にそうでない物件は値が付き辛いのです。
*土地の価値やその他の条件もありますのであくまでも一般論です。
中古住宅を検討する人は新築物件の情報を見て、それとの比較の中で中古住宅を考えていくわけですから当然指標となるのは周辺にある新築建売住宅の価格ということになります。


1つの事例を見てみましょう。
さいたま市内の丁目まで同じ場所に売地と中古住宅の売り物件が不動産情報サイトに掲載されていました。

売地:3980万円 31.5坪(坪126万円) 北道路4m 駅徒歩12分
中古住宅:5480万円 土地33.3坪 建物30坪○○ハウス施工 築14年 軽量鉄骨 北東4×4.5m角地 駅徒歩10分

価格的にほぼ同条件のエリアです。
中古住宅は大手ハウスメーカー施工の注文住宅なので新築時の建物価格を2800万円位と仮定します。土地価格は売地と同じ坪単価として現在の建物価格を逆算してみます。
土地33.3坪×126万円=4195万円 5480万円ー4195万円=1285万円
となり建物の現在価格は1285万円程度とみていることになります。

土地価格が変動していないとすると、大手ハウスメーカーの建物にも関わらず14年で約1500万円も価値が下がったことになります。新築時に3000万近くもしたわけだからせめて2000万位、土地込で6000万で売れるのではと考えたくなりますが、それでは近隣の新築建売相場より高くなってしまうため、その価格で買主を見つけるのは至難の業になるでしょう。
そう考えれば5480万円は妥当な価格と言えます。

このように中古住宅の価格は、その時点の新築建売住宅の価格と同等もしくはそれ以下となると考えるのが無難です。大手ハウスメーカーで作った建物でも、豪華設備や仕様の建物でも大差ありません。

皮肉な事ですが新築時高価な住宅ほど売却時に値下がりが大きくなるリスクを持つということになるのです。

それでもまだこの物件は面積が手頃で立地も良く一次取得者が検討できる物件ですから買い手が付きやすいですが、2世帯住宅など面積の大きな物件やあまりにも個性的な間取り、デザインの家などは余程土地に付加価値がないと売り辛くなってしまいます。


それでは資産価値が下がらない住宅とはどのような住宅なのでしょうか。

先ほどの例でもあったように、以下の条件を満たすような一次取得者が求める物件と言えるでしょう。
・30~40坪程度の3LDK、4LDK
・オーソドックスな間取り、外観
・耐震性や省エネ性など基本性能がしっかりしていること
・土地込で新築建売より低価格

キッチンやバス、トイレなどの住設機器は取り替えるものなのであまり関係ありません。それよりも簡単に変えることのできない耐震性や断熱気密性能の方が今後は特に重視されると思います。
そう考えると桧家住宅のスマートワンなどはピッタリです。高性能でありながら低価格、間取りが外観もオーソドックスなので価値の減少も最小限に抑えられるのではないでしょうか。実はスマートワン、そういった将来価値まで考えて開発した商品なのです!今後築10年以上のusedスマートワンが中古住宅として出てきた時の価値に注目しています。
また2世帯住宅では、親世帯と子世帯とを分離して玄関や水回り各々分けて作り、将来賃貸にも転用できるように設計しておくと、物件の価値は全く変わってくると思います。


この話は1つの考え方ではありますが全ての人に当てはまるものではありませんし、この世に2つとない家づくりを否定するわけでもありません。かくいう私も自宅は完全に自分好みの売却を考慮しない家を作りましたから・・
いろいろな家づくりの考え方がある中の1つとして参考としていただければ幸いです。














 

資産価値の下がらない住宅 土地編

家を買う、建てる時、住宅の資産価値を考えていますか?

一生そこに住むから・・
将来子供に渡すから・・・

そんな声をよく耳にします。
でもそこは少し冷静に客観的に考え下さい。


家族や経済状況の変化、子供の将来、健康問題・・
一生住むつもりで買った家でも何らかの理由で住めなくなることは珍しいことではありません。20年、30年先に子供がどこに住んで何をやってるのか全く見当もつきません。

最近当社グループでも取り組み始めた介護事業の現場を見るとそれを強く感じます。
自分だけは一生施設に入るようなことはないと誰が言い切れるでしょうか・・?
少子高齢化の時代、もし要介護の状態になってしまうと自宅で住み続けるということは非常にハードルが高くなります。


一般の方の大半は財産、資産=自宅です。
自宅以外に財産のある方は心配はないのですが、様々な状況変化が生じお金が必要になった時にもあてになる資産は自宅なのです。
新しいことろに住み替えよう、退職して第2の人生を別な場所で送ろうと言うときも、高齢者施設に入居する時も自宅を売却して費用に充てることができれば安心です。

これからの住宅購入はそのような視点を考えることが重要なのではないかと思います。


家の資産価値とは何でしょうか?

今後土地の値段がどんどん上がると言うことは見込めません。大きく下がらない、横ばいならば御の字でしょう。
資産価値が下がらない家とは、売りたいと思った時に買いたいと思う人がいる家と考えて下さい。
買いたいと思う人が多ければ多いほど、当然のことながら値段は上がります。
買いたいと思う人がいなければすぐに現金化できませんし、値段を安くしなければ売れません。中古住宅となれば需給関係で価格は大きく差が付くのです。

都心の一等地は高いけど、田舎の方が安いから資産価値はないのでは・・?
値上がりするかどうかという話ではありません。都心の一等地は元々高いため世の中の変化で大きく変動するリスクがあります。郊外の安い土地は反対にあまり高くも安くもならないとも言えます。要するに買った時から売る時の価格が大きく下がってしまわいような土地、家を考えましょうということです。


土地を買う場合どのような点に留意するかということですが、先ほど書いた通り多くの人が欲しいと思うような土地を買うということにつきます。
地域の中でも人気のある場所、都市部へのアクセスの良さや利便性の高い場所がやはりおすすめです。しかしそういった場所は値段も高く、物件もそうそう出てきません。日常の買い物や学校、街の成熟度や発展性、将来に渡って極端に人口が減少したり、寂れていくようなことがないかを考えることが重要です。

逆にあまりおすすめできない土地は、道路付け、地形(ぢがた)、地盤の悪い土地などです。道路は5~6mあると良いですね。開発現場などはおすすめです。理想は整形地で道路に広く間口が面した土地です。北向き。南向きといった方角も重要ですが道路付けもチェック下さい。
実家に近いからとか、安かったからといった理由でポツンと離れた場所や不人気な場所に家を建ててしまうと売るのに非常に苦労しますし、どんなに立派な家を建てても二束三文ということにもなりかねません。


広い土地を買う場合も注意が必要です。我々は分譲事業で土地の仕入れを行っていますが、歩留りの悪い土地は相場よりも坪単価が安くなってしまいます。
歩留りとは標準的な建売用地の面積でうまく切れるかどうかということで、例えば周辺の建売住宅が土地30坪程度の地域だとすると、90坪の土地で間口がしっかりと道路に面しているきれいな整形地であれば3区画に切れるので高く買えますが、もし80坪位だと、40坪×2区画では1区画の面積が大きく、26坪×3区画では小さいという中途半端で歩留りの悪い土地となって仕入れ値が安くなってしまうのです。たった10坪の違いでも売値が全く違ってきます。また広さは90坪あっても道路に5メートル程度しか接道していないような土地では3区画に割れないため買えません。買うとしても極端に安くなってしまいます。
このように戸建住宅の場合は中古としてそのまま住む人が買う場合と、家を壊して土地で売ったり、建売用地として売る不動産業者が買う場合もあることを知っておいてください。


ちなみに私は浦和駅から徒歩5分の商業地の土地を買いました。商業地ですがどちらかというとマンションが立ち並ぶ住宅地で、静かで利便性が良く、前面道路が8メートルと広い整形地でした。建蔽率80%容積率400%と10階建てのビルを建てることも可能な場所ですので将来売却時に実需だけでなく投資家にも販売できる土地であることも気に入った理由です。


自分たちが住む環境としてどうかということがまず一番ですが、将来売却する時に売りやすいかどうかという視点も入れた土地購入をおすすめします。

次回は”建物”について書いてみたいと思います。









 


 













 


 


 


 


家の買い時

来年4月からの消費増税が決まり、注文住宅の契約は半年前の今年9月までが5%、10月以降(3月末までの引渡を除く)は8%となりました。それに伴い政府からの住宅取得支援策も発表され、住宅ローン減税や住まい給付金といった新たな制度がスタートしています。

家はいつ買うのが得なの??消費増税前が得?いや後??
新聞雑誌などでそのような記事をよく目にします。

確かに住宅は高い買い物です。2000万円としても税率が3%上がれば60万円も税金負担が増えてしまうわけですから。
それならば税率が低い時に買った方が間違いなく得かというと必ずしもそうとは言えません。土地も購入するのか、土地・建物の価格、年収や借入額、金利などに政府の支援策、減税等様々な要素が複雑に絡みあっているからです。


金利
現在は低金利ですが、金利が僅か1%違うだけで総返済額は数百万の違いが出てきます。
変動金利と固定金利によっても当然違ってきます。

(例)2000万円借入、35年返済、金利固定1.85%と2.85%で総返済額は?
1.85%で2718万円、2.85%で3162万円 その差444万円にもなります!


土地
土地取引には税金がかかりませんが、土地自体の相場がどうか、そもそも希望の場所に予算内で見つかるかなど良い土地を安く手に入れるということは非常に難しい問題です。一般的には景気が上向きになれば都市部に近い人気のある土地から価格は上昇していきます。


建築コスト
最近は職人不足と言われ労務費が上昇しています。今後オリンピックに向けて都市部のマンションはその影響があると言われていますし、為替や原油などの影響で資材コストも上げ下げがあります。


景気
労務費コストが上がる事は一概に悪いとは言えません。景気が良くなると不動産取引が活発になり価格つまり物件の価値も上昇するからです。


このように考えていくと100%得をして家を買うことってほぼ不可能ではないでしょうか。仮に得したと思えてもその時点の話で、状況が変化すればどうなるかは誰にもわからないのです。


何が言いたいかというと...

“家は欲しくなった時が買い時”

ということです。

どうせ買うなら少しでも安い時に...
人の心理としてよく分かります。
ただ住宅は短期で転売して利益を稼ぐ投資商品ではありません。
そこで家族が新しい生活を営み、快適さを享受し、幸せで豊かな時間を過ごすために家を構えるのです。

子供と過ごす時間は意外に短いと言います。子供にとって新しい家、自分の部屋をもらえた嬉しさの思い出は一生忘れることがないでしょう。
でも成長するにしてがって自分達もそうであったように、家族との時間より友達や学校との時間が主になって行くのです。
新居での家族での思い出が深くずっと残るのは小学高から中学、高校までの10年ちょっとではないでしょうか。
思い出になる時間を1日でも多く過ごしていただきたいと思います。


幸い今は低金利で銀行によっては頭金がなくても融資が受けられます。
経済評論家と称する人の中には、家は頭金を貯めてから・・と返済の事だけを考えた意見を述べる人もいますが、何のために家を買うのか、家を買って家族とどんな生活をしたいのかということをまず考えて下さい。
そして無理のない資金計画で幸せなマイホームを手に入れて下さい。

そのお手伝いができることが我々にとって何より幸せな事です。










庭を楽しむ暮らし

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前出の小川邸では、庭のデッキスペースに置かれたテーブルでミルクティーと焼き菓子という英国風のおもてなしを受け、本場の“イングリッシュ・ガーデン”を堪能した。
通りに面した建物のファサードを触れない分、英国人は裏庭で個性を出し自分流の庭づくりを楽しむのだと言う。そして人を招いた時に何かサプライズを用意して客人を喜ばせるそうだ。

広さは約50坪位、綺麗に手入れされた芝生、様々な鉢植えには季節の花が咲き、隣との境には視線が気にならない程度の高さまでの生け垣で仕切られていた。
ガーデンニングのための道具などを収納する木製の物置も3台置かれ、お孫さん用の玩具の家も並んでいた。庭の奥はちょうど森になっていて、一面木々に囲まれ庭がどこまでも続いているかのような贅沢な空間だった。
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東京と同様、ロンドンの中心部で庭付き戸建というのは難しい。英国人にとって庭を楽しむ暮らしに対する憧れは我々日本人よりもはるかに強いのだろう。ハムステッドガーデンサバーブはロンドンにほど近い位置ということだけでなく、価値が高まっている理由の1つにこの庭があることは間違いない。

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一方ドイツ・フライブルクでも同じように庭付きの住宅地があった。

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ドイツではイギリスの影響もあって、1900年頃からガーデンシティ運動が起こりこのような庭付きの住宅が建設されてきたそうだ。この住宅地は協同組合方式で開発され、現在も組合員向けに家賃月8〜10万円(1€=100円)程度で賃貸されている。他にはない庭付きということが人気で、空き待ちが後を絶たないと言う。

フライブルクのような地方都市でも現在の都市計画の考え方もあって、庭付きの家を持つと言うのは現実的に難しい。それでも庭いじりを楽しみたいという市民のために、市営の“貸し庭”、日本流に言えば“市民農園”があった。
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“クラインガルテン”(小さな庭)と呼ばれるこの貸し庭は、1区画約100坪で年間2万円程度で借りる事ができ大変な人気だそうだ。土地の所有はフライブルク市で管理・運営はNPO法人が担っている。NPOによってルールは様々だが、ここのクラインガルテンは庭の管理をきちんとやらないと権利を没収される。野菜を何%以上作らなければならないというような規定のある庭もあるらしい。

ドイツ人は休日にこの貸し庭に家族でやってきて、庭いじりや収穫した野菜など持ち寄ってバーベキューをしたりして楽しむとのこと。写真にもあるように敷地内には思い思いの立派な小屋がつくられた庭もあって、少人数なら宿泊できるのではないかと思うくらいだった。

緑地面積を広げたいフライブルク市にとっては、空き地を市民に農園として貸すことで、自分達の手間無く管理された緑地帯ができ、一石二鳥なのだろう。
また借りている市民も権利を譲渡する時は、農園の小屋や設備等が正当に評価され、適正な金額で次の借り手に譲渡されるそうだ。自分達のつくってきたものが無駄にならず引き継がれる合理的な仕組みだと思った。


日本でもガーデニングがブームでなく定着してきたように思えるが、それでもここ10年程度で、イギリスやドイツとは歴史が違う。
庭づくりを楽しみ、庭での時間を楽しみ、庭を眺めて楽しむことに対する価値観はまだまだこれからなのだろうか。










100年経っても資産価値が上がり続ける街

ロンドンの北西15キロに位置する“ハムステッド・ガーデンサバーブ”という住宅地を見てきた。100年以上前に開発された街並みは成熟して建物は重厚、木々の緑も豊かで、ハリーポッターの映画で使われた住宅があるように、これぞ英国といった雰囲気だった。
現地でガイドを務めてくれた小川さんは25年前にこの地に住宅を2千数百万で購入し、今ではその価値が7倍にまで上昇しているという。もちろん住宅は100年前に建てられたもので一部リフォームを行っているが基本的には当時のままである。

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ハムステッドガーデンサバーブ内の住宅 高級住宅地として知られる

小川さんが自宅を購入した1980年代はサッチャー政権期で、不景気と高い失業率、フォークランド紛争やIRAのテロなど暗く厳しい時代だった。
ちょうど行きの飛行機の中で映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を見ていたので時代背景がイメージしやすかった。
当時の状況から比べればイギリス景気も随分と回復し、ロンドン市内も非常に活気に満ち溢れていたが、それにしても25年で7倍にも価値が上昇するというのは、景気回復だけが理由ではない。

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裏庭から撮影した小川邸。1棟で2戸のデュプレックス型 

ハムステッドガーデンサバーブの資産価値が上昇している要因に“トラスト”と呼ばれる管理組合のような組織の存在が大きい。トラストは通りから見える住宅のファサード(正面)やフロントヤードの庭木や芝生などを一切変えてはならないと厳格に規制している。築100年以上も経っているのでリフォームやメンテナンスは当然必要だが屋根にしても外壁にしても色や素材を変える事は認められないし、外に物置などを設置することももちろんNGだ。

小川さんのお宅では屋根裏と車庫を部屋にリフォームしていたが、屋根裏に明かりを入れるドーマーの設置にはトラストの承認を得るのが大変だったそうだ。また車庫を部屋に変更した際もファサードのガレージドアは変更不可とのことで、内側が居室になっていても外部に窓が認められずガレージドアのままだった。

これだけ厳しいルールを徹底し続けるというのは日本ではまず考えられない。新築時に景観条例や風致地区といった規制があったとしてもその後の改装やリフォームまでもチェックし規制しているという話は聞いたことがない。
もしトラストの許可を無視して勝手なリフォームをしたらどうなるか?元に戻すことを命令され、拒否したら裁判で訴えられるそうだ。
街並みを維持していくことが、街の資産価値を高め住人の資産上昇にもつながる、そのためには個人の資産であってもルールを厳格に運用し、守らない場合は強制力をもって対応する。

個人資産だから何をしても自由という発想でなく、住人同士がルールを共有することで街全体の景観を守り資産価値を高めるという成熟した発想。日本人が理解できるにはまだまだ時間がかかるが、目指す方向性であることは間違いない。

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増築し、ドーマー窓を設置した屋根裏部屋

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落ち着いたリビングには暖炉

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バス・トイレは2階に

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手前がガレージをリフォームして増築した部屋 大きな天窓も設置されていた

チャールズ皇太子開発の分譲地

5/17から1週間、イギリス、ドイツの住宅地を視察してきた。100年以上続くものから最近開発されたものまで、住宅先進国の実例を見て感じたこと、考えたことをを数回にわたって紹介していきたいと思う。

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最初に訪れたのはイギリスのパウンドベリーという新しい分譲地。ロンドンの南西200キロに位置し、周辺は牧草地や黄色い絨毯のように菜の花畑が広がるのどかな田園地帯だ。
1337年以来英国皇太子が継承してきた広大な土地の一部150haを、チャールズ皇太子が自らの著「英国の未来像」の中で述べた「建築とプランニングに関する10原則」に基づき開発してきた。

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分譲地にはこのように英国伝統的なレンガと漆喰を用いたクラシックなデザインの住宅が並ぶ。
“新しいが昔からあるような”、“古くなっても古く感じない”とでも言おうか。
著書の中でチャールズは、都市の中の村(アーバンビレッジ)をコンセプトに、地元の材料を使い、歩行者優先、風景との調和など伝統的でサスティナブル(持続可能)な街づくりを目指すとしている。


イギリスで一番感じたのは皇室の存在感の強さだった。日本では考えられないが、イギリス王室は土地分譲といったビジネスも行い、意思も堂々と主張する。
ロンドン市内の至る所に王室がつくった歴史的な建造物がその存在感を誇示し、王立公園もあって維持運営されている。
また今回はちょうどエリザベス女王の戴冠60年というタイミングもあって目抜通りには英国国旗が飾られ、お祝いムード一色だった。


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100年~200年前の重厚な建物が軒を並べるロンドン市内に、新しいロンドン市役所や完成すればヨーロッパ一の高さとなる“ザ・シャード”というビルなどガラス張りの近代的な建築物が増えてきたことにチャールズ皇太子は否定的なコメントを発しているそうだ。

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イギリスの住宅地の特徴は駐車場や庭を建物のファサード(前面)でなく、通りから見えない裏手
にあることだ。特に庭は塀で囲まれプライバシーがしっかりと確保されている。

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裏手の駐車場

地震のないイギリスでは低層住宅はブロックや石の組積造が今でも中心で、分譲地内では3層の住宅が建築中だった。外装は日本のように薄くスライスしたレンガタイルを貼るのではなく、本物のレンガをブロックの外に積み上げてつくっていた。

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このパウンドベリーは、1993年から建設が始まり25年をかけて最終的には3000戸の住宅が建設される予定だという。全体の35%は低所得者向けの公営住宅で、65%が一般向けの分譲住宅、価格は日本円で1500万円〜8000万円(1£=125円)

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約4500万円で販売されていた3層メゾネット型の連棟住宅。


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Profile

近藤 昭(株)桧家ホールディングス 代表取締役社長 近藤 昭

1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業。 大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、 2001年に東日本ニューハウス(現・桧家ホールディングス)に入社。 専務取締役、副社長を経て、2009年に代表取締役社長就任。 2012年に『日経ヴェリタス』が行った「在任期間中に株価を最も 上げた社長のランキング」では、全上場会社中第5位にランクイン。 業界の常識にとらわれず、常に顧客目線で考えることがモットー。 「あらゆる人にエコで快適な住まいを」 提供するために日々奮闘中。

   

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